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ヨコスカへ行ってきた

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行きたい酒場があるからと、夕方から横須賀ヘ連れて行かれた。





横須賀へは多分二度目だ。戦艦みかさの海から猿島へ渡ったりしたことが一度だけある。そのときには食事する店も随分探してようやく見つかるくらいで、横須賀って有名だけど、さほどな町でもないんだ…と思ったものだった。

横須賀のひとつ先、衣笠という町で電車を降りる。
少し前まで神奈川がテリトリーだった相方についていく、銭湯+酒場ツアー。
まずは風呂の前の腹ごしらえと、軽く焼き鳥屋へ。おばちゃんがひとりで切り盛りする店はカウンターのみで、味わい深くもこざっぱりとしている。先客のおじさま連も柔和な雰囲気だ。焼き鳥数本とビール、塩味にしてもらった焼き鳥は、どれも美味だった。

先は長い。早々と店を後にし、今度は商店街へと繰り出す。崖の下につくられたような商店街は小さいが、歩道に椅子が並べられたりして、高齢の買物客への配慮が窺える。大きな駅ではなかったが、商店街が随分発達している町だ。八百屋には三浦半島の野菜が並び、魚屋には三崎で上がった魚が並ぶ。これだけでなんだか旅に出た気分になる。うーん、いいなぁ。いいなぁ。。。
商店街でのお目当てはコロッケ。「横須賀コロッケ」の幟がはためく店にはちょっとした行列ができていた。行列に並ぶのが嫌いな私は、どうしてもコロッケを! という相方を列に残し、プラプラ商店街を散策。長いアーケードの背後には線路があり、時折電車が音を立てて走り去る。休日にもかかわらず活気づいているとは云いがたいが、ヨソモノにとってはなかなか面白い町の素顔だ。
いつも買うという肉コロッケは既に売り切れていたので、ポテトコロッケ、肉じゃがコロッケ、カレーコロッケを二個ずつ、明日の御飯用に調達。それでも合計300円ほどなのだから、行列ができるのも納得というものだ。
できたてのコロッケを背負い込み、続いては目的の銭湯へ行く道みちの、いくつかの銭湯の外観を見物して歩く。なかでも立派な構えで玄関に福助のタイル絵がある「斗の湯」には、またいつか入りに来たいと思った。赤線地帯跡地で昨年末から営業を休止し、建物だけが残る「福助ホテル」は進駐軍も利用したといい、でかでかと掲げられた福助のマークがなんともキッチュだった。

そうして辿り着いたのは本日の湯「あたり湯」。四畳半みたいな格子の高窓と、タイル絵にマジョリカタイルまでついた玄関が素敵である。
小学生くらいの子供が三人も遊びまわり、お婆ちゃんたちとも仲良く交流しているような、ほのぼのとした銭湯だった。女湯で知らない相客に話しかけられることは珍しくないが、大分年季の入った自分のナイロンタオルを「気持ちがいいから使いなさい」と貸されたのには辟易した。私は冬場はひりひりするので、ナイロンタオルを使わずに石鹸を泡立てて手で洗うのだが、見かけないヨソモノのこと、道具がなくて困っていると思ったのだろう。さらにはさっき自分が使ったばかりのタオルまで持って行けという。手ぬぐいがあるので大丈夫ですと云ってもなお「お年賀やなんかでうちにはたくさんあるんだから。いいからもっていきな。」…親切なお心遣いはありがたい、が。。。。

やれやれと銭湯を出、今度は横須賀中央駅まで歩く。途中にもレトロな看板が連なるところや、急な坂のあるところなど、本当に商店街が充実している。このあたり、以前来たときにはまったく歩かなかった。きっと駅の反対側なのだろう。

そうして土曜日は月に一度しか店を開けないという噂の居酒屋へ。中に入るとカウンターとちいさなテーブル席の古めかしく渋い空間で、障子で仕切られた奥にも席があるらしい。
自宅のある東京の北の郊外から遠い横須賀であるというのに、ちょいと飲み過ぎ、帰りの電車ではすっかり眠りこけてしまったのだった。
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          居酒屋のすぐそばにある劇場

by TokyoRomanTheater | 2010-01-24 17:12 | 日々のこと

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